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株式会社 九鏡

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鏡四方山話08辛未話

「綱」で「敷物」

綱敷天満宮

”「博多五町」というバス停はあるっちゃが、そんなら「五町」ちゃあどこどこですかいなあ?”という類の質問も、最近は偶にしか聞かれなくなってしまいましたが、この「五町」こそ、現在の「福博(福岡と博多)」の「商売人パワー」のルーツ(本流・本源)となったところ。
「上川端通り(旧上新川端)」(かみかわばたどうり)、「下川端通り(旧下新川端)」(しもかわばたどうり)、「寿通り(旧新道)」(ことぶきどうり)、「麹屋番」(こうじやばん)、「綱場町」(つなばちょう)の五つ。

数十年前に”境界再編・町名変更”の”大嵐”にみまわれて、生き残ったのは「川端」と「綱場」の二つだけ。

で、「川端(上・下川端通り)」は「商店街」として、今も活気にあふれていますが、「綱場」を除く他の二つのうち、「寿通り」は街並みの九割以上が消滅、「麹屋番」も八割以上の街並みがやはり消滅、むろん「町名」もありません。

なんごと、「綱場」だけ残ったとですなあ・・・?”

で、「綱場」のはじまり、はじまり・・・!
「道真公」が長い船旅の後に「袖の港」(後の呼称)附近の入江の船着場から「九州上陸」の第一歩を踏まれたときに、
”あたきゃあ(自分は)くたびれたばい(疲れました)、どっか座るとこはなかなあ(ありませんか)?”
(「菅公」が当時、博多弁をお使いになったかどうかは、定かではありませんが)
とおっしゃり、お迎えに出た地元の人が、
”そんなら、ここにどうぞ”
と差し出したのが、荒縄(綱)で編んだ大きな藁の敷物・縄ざぶとん、「菅公」はその敷物に無事お座りになり、しばしあまたの思いに耽られたとか・・・。この「綱の輪」が「綱輪」町、この場所を後日「綱敷天満宮」としてお奉りし、さらに「綱輪」が後に「綱場(ツナバ)町」へとなったようです。

ただし、今日の「綱場町」は、やはり”境界変更”で、「川端」と同様、元の広さの七~八倍になって勢力拡大、多分あれもこれも(「川端」には「鏡天満宮」がご鎮座、前述)「天神様」の「ご加護」の賜・・・。

(そういえば、この「綱場」の一角に、もう五十年ちかく他所へ「うつ」らず居座った「鏡屋」があるとかないとか・・・?)

で、「川端」の隆盛にくらべて「旧綱場」の寂しさは”どげんしたとな?”となりますが・・・・

言訳その一
「綱場」の一帯は、もともと「天満宮」の境内の一角で、人のながれからして日常的な生活用品の販売にはあまり適さず、やや大きめの規模の「問屋」筋がかたまってあったのが、時代の変遷や、近代化の流れの中での流通の合理化で、周辺の「卸団地」などへ移転したこと。
--嘗て、「商い」の大半は、「行商」であったようで、所謂「商店」を構えるほどの「お店」(おたな)は所謂「問屋」かよほど特殊な「物」を扱う「店」か、いずれにしても大きな「屋台骨」を持ったところだけが「お店」を構えていたようで--(フム、フム!?)

言訳その二
・・・これ以下は、当面「なし」にしましょう。「川端」を除けば、他の「五町(三町)」どころか旧博多の古い町は、どこも五十歩百歩のようですから。

この「綱輪天神(綱敷天満宮)」は、「宰府(さいふ)さん」(博多では「大宰府天満宮」のことを「さいふさん」といいます)よりもその「ルーツ」は古い(元祖)はずなのですが、今や「本家」にすっかり人気をお譲りになっておられて、春、夏年二回の大祭は地元の氏子衆だけがしっかりお護りしております。

やはり「天神様」を敬えば「町」も「商売」も繁栄する・・?

「天神様」の「お得意」は、「学問」よりも「商売繁盛」なのか、それとも「菅原道真公」は、「京都」より「博多」のほうがずっとお好きでいられるのか、多分後者のほうでしょう・・
「博多(はかた)」は、それほどまでに「よかとこ」なのです。

-本日のまとめ
「天神町」(てんじんのちょう)(福岡)には、「水鏡天満宮」、
「川端通り」(かわばたどおり)(博多)には、「鏡天満宮」、
「綱場町」(つなばちょう)(博多)には、「綱敷天満宮」、
「三世」を通して(いつの世も)、「天神さま」が「街の繁栄」に「ご貢献」なされておられる(のかなあ?)ということで・・・

⇒尚、博多には、「鏡町」(かがみちょう)という町名がありました。ここには、古く「鏡関係者」が多数住んでおられたようです。

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この頁は、話しの行き掛かり上、直接「鏡」とは関係なしの話しになりましたが、以後時々は”どこが「鏡」と繋がるとなあ・・・?”もあるやも知れませんので、ご了承くださいますよう・・・。

なお、関係町の皆様方、記述にご不満などございます段は、平にご容赦を御ん願い申し上げます・・・。

07庚午話「天神」と「鏡」その二07庚午話「天神」と「鏡」その二

09壬申話「円い大きな鏡」09壬申話「円い大きな鏡」